代表からの手紙

私たちは、何のために働くのか

代表取締役CEO/CHRO 羽田 健亮

羽田 健亮の写真

序章

手紙

社会課題の解決に情熱を燃やすあなたへ。

私たちは今、本気で社会の「偏見」という壁を壊そうとしています。もしあなたが、単なる「お世話」や「奉仕」を求めているのなら、ここはあなたの居場所ではないかもしれません。しかし、プロフェッショナルとして社会を変える「力」をつけたいなら、ぜひこの手紙を最後まで読んでください。

第1章

なぜ、私が福祉を

きっかけは、本当にささいなこと

シングルマザーとして、父の手を借りずに私を育ててくれた母。その母が福祉の仕事をしていて、私はただ、その姿にあこがれた。それだけです。

立派な志があったわけではありません。でも、その素朴なあこがれが、私の原点です。

一冊の本と、ITとの出会い

大学受験のころ出会った『神様からの贈り物』。筋ジストロフィーで、できることが一つずつ失われ、やがて寝たきりになった方の話でした。

その絶望の中で、その人はパソコン──ITと出会う。世界とつながり、作曲をし、遠くの人と言葉を交わし、やがて伴侶を得て、子どもを授かった。

ITは、人の可能性をこんなにも広げる。福祉とITで生きていこう、と決めました。

「人生が変わる瞬間」に、立ち会った

卒業の年、ウイングル(現LITALICO)と出会います。障がいのある方の就労を、遠隔地雇用という形で支援する現場でした。

そこで私は、何人もの「人生が変わる瞬間」に立ち会いました。

その一人

胸から下が動かず、18年間「働くのはムリ」と言われてきた人がいました。その人が一番やりたかったことは、「自分で税金を払いたい」。

税金を払うのは、社会を“支える側”に立つこと。その人は、支えられるだけの毎日から、支える側に立ちたかった。

インターネットにつながったパソコンで、仕事ができるようになった。人生が、180°変わった。

これが、私を福祉に没頭させた、かけがえのない原体験です。

第2章

支える人が減り、支えられる人が増えている

少子高齢化で、人口も働く人も減り続けている。一方で、支援を必要とする人は増え続けている。このまま進めば、社会そのものが成り立たなくなる。

その大きな流れに、現場から立ち向かっているのが、私たちの仕事です。

社会福祉とは、社会課題の解決である

福祉は、その時代の社会が抱える課題に応えるための事業です。いま日本が直面する「支え手が減り、支えられる人が増える」という課題に、現場から応えているのが、私たちの仕事です。

「あればいい」ではなく、質で応える。税金で成り立つ事業だからこそ。

第3章

私たちが戦う相手

カレイドスクエアパークが戦う相手は、役割を用意しないまま、人を「支えられる側」に振り分ける社会。

今の社会は支え手が減り、支えられる人が増えています。そして、問題は人数の話だけではありません。

「この人はここまでしかできない」と誰かが先に決めてしまい、役割が用意されないまま振り分けられていく。その積み重ねが、支え手をさらに減らしているのです。

これは、悪意ではなく、善意で起きていることです。

戦う相手は、『偏見』という壁

私たちが向き合うのは、障がいに対する偏見だけではありません。世の中には、まだ多くの「心の壁」が存在します。

  • 障がい
  • 国籍
  • 学歴
  • LGBTQ
  • …まだ、ある

この見えない壁を壊していくことも、私たちの仕事です。

第4章

私たちの仕事は「自立支援」

お世話でも、奉仕でもありません。手を差し伸べて助けるだけでは、その人は一生、誰かに頼り続けることになる。

本当に育てたいのは、その人自身が「自分の足で社会を生きていく力」です。

育てたいのは『社会性』

社会とは、自分以外の他者がいる世界。そこで生きていく力とは──

相手のニーズを汲み取り + それに合わせて自分を変化させる力 = 社会性

私たちは、その力を育てるコーチ。だからこそ、私たち自身が誰よりも、その力を持ち合わせていたい。

もうひとつ育てたい力──『主体性』

私たちが育てたいのは、社会性だけではありません。

主体性とは、自由に伴う“責任”を引き受ける力。

「やりたいからやる」という自発性とは違います。自分で選び、結果を予測し、その結果を引き受ける。そこまでいって初めて、自発性は主体性に変わります。

  1. 自発性
  2. 自己抑制
  3. 結果予測
  4. 責任受容
  5. 主体性

主体性とは、責任の範囲を広げていくこと

自分への責任
自分の行動や選択に、責任を持つ。
共同体への責任
仲間・家族・地域のことを、自分事として考える。
未来への責任
未来の社会に何を残すのかを、考える。

メンバーが、自分の人生を自分で選び、引き受けていけるように。

──そしてこれは、私たちクルー自身にも問われている力です。

第5章

「ありのまま」を超えて、輝きをプロデュースする

ありのままの姿を見せることは大切。けれど、それだけでは変わらない現実があるのも事実だから。

  1. 見つける

    ありのままの姿から、メンバーの「隠れた光」を見つけ出す。

  2. 形にする

    どうすれば社会の中で最も輝けるかを、「戦略」と「泥臭い努力」で形にする。

  3. 覆す

    彼らの価値を証明し、世の中の認識を、覆していく。

第6章

できなかったことを、次に活かして、ここまで来た

  1. すべては、大人の就労支援から始まった

    大人の就労支援を続ける中で、気づいたことがあります。若い世代に、発達障がいのある人が増えている。

    学校に守られているうちはいい。けれど一人で社会に出たとき、うまく馴染めず挫折し、社会に戻れなくなる──そんな子が増えていると、学校の先生方から相談を受けるようになりました。

    大人になってからつまずくなら、もっと小さいころから、準備できないか。

  2. 放課後等デイサービス|子ども時代から、力を育てる

    そう考えて、放課後等デイを始めました。小学1年生から高校3年生まで通える、障がい児の発達支援の場です。

    ここで育てたいのは、勉強だけではない。社会性と主体性──社会に出ていくための力です。

    よく誤解されること

    放課後等デイサービスは、障がいのある子の「学童」ではありません。

    学童保育

    市町村などが運営

    今日の放課後を、安心して過ごす場所。

    保護者が仕事などで家にいない子どもたちの生活を守る、地域に欠かせない機能です。

    放課後等デイサービス

    私たちが運営

    大人になったときに困らない力を、今から育てる場所。

    社会性と主体性を育てる、障がいのある子どもたちの将来に向けた自立支援の時間です。

    目的が違えば、子どもとの関わり方も変わります。

  3. 就労移行支援(胎内・併設)|中高生の「出口」を、支えたくて

    けれど放課後等デイだけでは、中高生の「出口支援」──学校を出たあと、どう社会につながるか──まで届かなかった。

    だから二拠点目の胎内では、子どもが通う放課後等デイと、同じ建物に大人の就労支援を併設しました。子どもと大人の狭間にいる中高生に、いい出口を届けるために。

    実際、高校卒業と同時に就職していく子が、何人も生まれました。

  4. 就労定着支援|就職して、終わりじゃない

    就職できても、何年も働き続けるのは簡単ではありません。途中で辞めてしまう人が、出てきました。

    だから、定着支援を始めた。せっかく就いた仕事を、長く続けられるように伴走する。

    でも、それだけではダメだ。

  5. カレイドスクエアワークス(仮想会社)|受け身ではなく、「活躍」できる人へ

    長く働くには、受け身ではダメだ、と気づきました。いまの障がい者雇用は「コスト」ではなく、「いかに活躍してもらうか」の時代です。

    活躍するには、自分から仕事に参画し、どう良くするかを考える力がいる。そこで仮想会社「カレイドスクエアワークス」を始めました。利用者に“社員”として、自分の部署をどう回すかを日々考え、対話してもらう取り組みです。

  6. 自立訓練(生活訓練)|まだ難しい人にも、時間をかけて

    いますぐ就労は難しい。そういう人にも、時間をかければ、必ずつなげられる。

    そう信じて、自立訓練を始めました。生活のリズムから、社会に出ていくための土台を整えていく。

    でも、それだけではダメだ。

  7. 就労選択支援|子どもと大人の「間」にも、支援を

    大人と子どもの間にも、支援を。「働けない」と決めつける前に、本当の力を見定める場が始まりました。

    これまで「自分には力がない」と決めつけていた方に、第三者の目線から「あなたには、まだ可能性がある」と示せるようになりました。

  8. 保育所等訪問支援|通所と訪問の、両輪で支える

    放課後等デイの時間だけのケアでは、足りない。学校生活の中での様子も確認し、その場でもケアを足していく。そうすれば、もっと手厚い支援ができ、その子の将来の可能性も広がっていきます。

    来てもらう「通所」と、出向く「訪問」。その両輪で支える。

    0歳から18歳まで。未就学の段階から、支援を届けられます。

  9. 放課後児童クラブへの専門家派遣(胎内市受託)|「ゆりかごから働くまで」

    いま、胎内市から放課後児童クラブへの専門家派遣も受託しています。障がいのあるなしに関わらず、地域の子どもたちの育ちを支える仕事です。

    「ゆりかごから働くまで」を合言葉に、市の子ども部会とも連携しながら、地域の社会進出支援へと広げています。

    障がい児に限らない。地域の、すべての子に。

  10. 課題は、まだ山積みです

    子どもの支援も、大人の支援も、保護者の支援も。やるべきことは尽きません。そして、これは一事業所だけではどうにもならない。地域でカバーする体制が要ります。

    ただ──時代に応じた課題に応えていくことこそ、社会福祉という仕事です。

    地域の行政・仲間・企業と手を組み、障がいのあるなしに関わらず、みんなが生きやすい地域社会をつくっていく。

  11. なぜ、この地域で

    地方でも、夢は見られる。それを若い人に伝えたくて、地元・新潟で会社をつくりました。

    カレイドスクエアパークの運営を拡げることで、胎内市で暮らす誰もが生き生きと生活していけるような街づくりに、どんどん貢献していきたいと思っています。

第7章

違うからこそ、このチームは強い。

みんなの違いも、同じように美しい

得意なこと、苦手なこと、性格、これまでの歩み、強み。クルー一人ひとり、みんな違います。

違うからこそ、補い合える。違うからこそ、このチームは強い。

メンバーの違いを大切にするのと同じように、私はみんなの違いを大切にしたい。

メンバーに願うことは、クルーのみんなにも同じ

成長
昨日できなかったことが、今日できるように。ここで働くことが、自分の市場価値になるように。
貢献
自分の仕事が、誰かの役に立っている。その手応えを、ちゃんと感じられるように。
承認
頑張りが、きちんと認められる。一人ひとりが、ここに居ていいと思えるように。

メンバーの成長・貢献・承認を支えるのと同じだけ、私はクルーのそれも大切にします。

どんな人にも、活躍できる場所と役割が必ずある

私が利用者さんに信じているのは、ひとつだけです。「どんな人にも、活躍できる場所と役割が、必ずある」。

コストではなく、活躍してもらう存在。頑張れて、それが周りに認められ、評価と賞賛を得ていく。

そのために、私たちは支援をしています。

参画し、考え、活躍し、認められ、賞賛される。──メンバーに願うその同じことを、私はクルーの皆さんにも、まったく同じだけ願っています。

第8章

この仕事のいちばんの“ごほうび”

人生が変わる瞬間に、となりで立ち会えること。

カレイドから就職したメンバー(2022年度〜2026年9月)
29人
そのうち、今も働いている人(2026年9月時点)
22人
2025年度に就職(過去最多)
10人

工場・お店・病院・介護施設・市役所など、いろいろな場所で活躍しています。

「世界を少し良くした」という確かな実感が、ここにはあります。

第9章

人生は、山登り。

人生は、山登り。途中で諦めれば、登る足腰はつかない。

幸せも成果も、待っていてはくれない。自分から掴みに行くもの。

中途半端な努力では、中途半端な結果しか出ない(私が信じている真理です)。

だから私たちは、学び合い、教え合い、壁にぶつかりながら登り続ける集団でありたい。

そのプロセスそのものが、みんな自身の価値を高めていきます。

第10章

私たちが目指す社会

OUR VISION

誰もが心の隔たりを感じない、お互いがお互いの『違い』を『素敵』と感じられる社会。

理念

全ての仲間とその家族を幸せに 普く人々の心に人生に負けない“勇気”を

終章

覚悟を持って、一緒にこの山を登りませんか。

私たちは、本気で社会の理不尽に立ち向かう集団です。

厳しい場面もあります。けれど、ここには成長と、仲間と、そして「世界を少し良くした」という確かな実感があります。

覚悟を持って、一緒にこの山を登りませんか。

羽田 健亮の署名

この手紙を書いた人

トラインスミス株式会社 代表取締役CEO/CHRO

羽田 健亮

社会福祉とITの両方の分野を学び、障がいのある人の就労支援に携わったのち、2018年にトラインスミス株式会社を設立。一つの支援だけでは届かない課題に出会うたびに、放課後等デイサービス、就労移行支援、自立訓練と事業を広げ、村上市・胎内市でカレイドスクエアパークを運営している。

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